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スタートダッシュ

古民家風丸

風丸から望む津軽平野では田植えの作業が始まっています。

代かきが終わりきれいに水が張られて鏡のようだった田んぼが、だんだんと青に変わっていくこの時季。周りの山々も日に日に緑を増して一年の中でも一番清々しい気持ちになれる季節です。

しかし相変わらず風が強いのがこの津軽地方。タイミングを間違うと植えたばかりの苗たちが風にたたかれ、一気に蒸散が進んでしまうことによって瀕死状態になってしまいます。根付く前に葉の水分が失われ、葉っぱがよれてしまう状態をこちらの言葉で「しろかれ」と呼びます。(標準語では植えいたみなどと表現されています。)一度しろかれしてしまうとその後の生育が遅れてしまうため、田植えのタイミングを見計らうのはとても重要です。

自然相手の仕事は計画通りにいかないこともしばしば。

「ろーがっぱまっしろになってまって。あの風ちぇときに植えたもんだもんな。こえだっきゃよほど遅れるでぃや」※1

さてこの辺りでは田植えの日が決まると、農家のお母さんたちはお赤飯を炊きます。田植えを始める前、そのお赤飯とお神酒を田んぼの水口(水の入ってくる場所)にお供えし「今年もお米が沢山穫れますように」とお祈りするのが恒例行事。
なんでも田植えが始まると山から山の神様が下りてくるのだそうです。山の神様は稲刈りが終わるまで田んぼにいて十五夜の日に再び山へと戻って行く、その間田んぼを守ってくれているとのこと。

そんな、いつの時代の話?と思う人もいるかもしれませんがこの辺りではまだまだこの風習が残っています。

昨シーズンも冬から夏にかけて降水量が極端に少なく雪解け水もなければ雨水もない状態で、大変な思いをした米農家さんが沢山いらっしゃいました。機械や肥料、農薬など栽培に関する技術が目覚ましく進歩した現代でも自然の力には敵わない部分が山ほどあります。そんな自然を相手にしている農家さんたちだからこそ、こうした神様や仏様を大事にしてなんとか自然の恵みをいただけるようにという心が深く根付いているのでしょうか。

無事に田植えが終わった田んぼでは、これから水の管理や雑草、病害虫との戦いが始まります。お日様はちゃんと出てくれるのか、台風は大丈夫か・・・などなどこちらも秋の収穫まで気の抜けない日々が続きます。

                  田んぼからはきれいな岩木山が

※1「見てみろ、全部真っ白(葉がよれて水分がない状態)になってしまって。あの風が強いときに植えたからなぁ。これではだいぶ生育が遅れてしまう。」

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