ハウスさ頭ぎっちゃさして
青森といえばリンゴを思い浮かべる方が大勢いるかと思いますが、実は風丸から望む津軽平野の端っこの方ではメロン栽培も盛んです。昭和40年頃から転作作物としてスイカやメロンの栽培が始まったそうで、中でも津軽半島西岸の七里長浜に沿う屏風山砂丘、通称屏風山地帯では“メロンロード”と呼ばれる道があるほど、一帯でメロン栽培が行われています。
ところでメロンの旬ってご存知ですか?実はスイカと並んでメロンも夏に旬を迎えます。ということで津軽産メロンも7月下旬からの本格的な出荷に向けて、着々と作業が進んでいます。
その一つが摘果作業、甘くて立派なメロンを収穫するために1本のつるに成らせるメロンの数が決まっていて、それ以上に成ったものや形がおかしいものなどを落としていく作業です。どれが格好よく大きなメロンになってくれるのか、それを見極めて選別していくとても重要な作業です。ちょっとした傷があるものやバナナのように曲がってしまっているものはもちろんですが、どんなに将来有望な姿でも決められた数より多い場合は落とされてしまう、メロンの世界も厳しいですね。
しかしそんなメロンになりきれなかったメロンたちにも活躍の場があります。
この季節つがる市内をはじめとした直売所ではこの摘果したメロンたちが袋に入って売られています。メロンはウリ科の植物なので熟す前はウリのようなみずみずしい食感、そのため漬け物や炒め物などに使われます。
摘果されたメロンは肥やしにして、来年また土へと還るので実際は役に立っていないわけではないのですが・・ヒトの勝手な心理ですが畑で腐っていくよりは誰かの口に入った方が幸せなのかなと思ってしまいます。
さて夏に向けて暑くなってくるこの季節、メロンロードを走ると必ずこんな光景を目にします。
このビニールはトンネルと呼ばれ、寒さや雨に弱い繊細なメロンたちにとっては必需品なのですが中は温度30度以上、湿度90%以上のサウナ状態。車からこうして作業している人を見かけるとつぶやきたくなります。
「わぃ~このかんじぇねぇ時トンネルさ頭ぎっちゃさして、中のもわもわって空気被ってあへだぐめでまるでばの。かんじぇっこあればまんだいいもんだばってしっつぁ。たんだでねぇな。」※1
※1「この風の無いときにトンネルに頭突き刺して(津軽弁独特の誇張表現です。標準語にすると大げさに聞こえますがニュアンス的にはこんな感じです。)中のもわもわする空気を被って汗だくになってしまうな。風があればまだいいのだけれど。大変だな。」
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