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しんばらく~

 最近ずいぶん日が長くなってきたなぁと思えば冬至の頃より1時間以上も日の入りの時間が遅くなっていました。そりゃぁ雪も解けてくるわけだ。津軽は12月~2月の約3か月間は一面雪に覆われてしまうので、3月に入り雪が解けて黒い地面が見えだすと「しんばらく~」と声を掛けたくなります。

 さて日の長さや雪解けなど春が近いことを感じさせるものは色々とあるわけですが、ホッケが捕れ始めるのもその合図の一つです。漁師さんはもちろん、釣り好きの人にとってもホッケ釣りは待ちに待ったこの季節のお楽しみ。調子がいい時は百匹単位で釣ってきます・・あまり沢山の時はご近所におすそ分けすることも。

                                                        

「おめだでホッケ食ってらな?おいでおとちゃホッケ捕ってきたんずよ。わんつかだばってかねな?」

「わい~こったにな!めやぐだじゃ~」

「なんもめやぐでねぇね。おいで余ってまっちゅうはんで食ってけじゃ」

「あら~どすべの~どもども」※1

 

 ホッケというと居酒屋のメニューによくある”ホッケの開き”を思い浮かべる方も多いと思いますが、あの形で全国的に広く流通しているのは”シマホッケ”という種類。主にはロシアなどからの輸入品だそうです。今日本海で上がっているホッケは”マホッケ”という種類。シマホッケよりも小さく脂ののりも少ないのでとてもさっぱりしていて淡白な味の魚です。その為すり身などの加工用として扱われてしまいなかなか注目してもらえないのが可哀そうですが、調理の仕方でとても美味しくなります!

 おススメは一夜干し。醤油、酒、みりんなどで作った調味液に漬けてから一晩干します。元々淡白なうえに、小さめのものは特に身がぺたぺたする(水っぽい感じ)ので少し干して水分を抜いてあげると美味しくいただけます。

ホッケ一夜干し
                                                    

 

 もう一つここ津軽ならではの食べ方はなんといっても“ホッケの飯寿し”こちらはホッケをカラカラになるまで干してから、米・野菜と一緒に漬けこみます。魚の飯寿し・熟れ寿しと呼ばれるものの中でも干してから漬けるものは珍しいそうです。干すことによって余分な水分や脂分が抜け生臭くなくフルーティーな寿しになります。津軽へお越しの際はぜひ味わってみて下さい。

ホッケの飯寿し
                                               

※1「あなたたちの家でホッケ食べてる?うちでお父さん捕ってきたのよ。少しだけど良かったら食べて。」

「わぁ~こんなに!悪いわ~」

「いえいえそんなことないのよ。我が家では余ってしまってるから食べてちょうだい」

「あらまぁどうしましょ。では遠慮なく、どうもありがとう。」

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